感動体験
【プライベート】 2011.02.19
歯医者が嫌いです。お恥ずかしいのですが。
子供の頃に通っていた歯医者でのトラウマ体験が原因ですが、骨折しても何針縫っても我慢できるけど、歯の神経系の痛みにはめっぽう弱いです。
これまで気づかぬふりを貫いてきた2箇所の歯の微痛がいよいよ本格的に私の心を折り始めたので、腕のいいと評判の歯科医を見つけて行ってきました。
大田区にあるその歯科はWEBで検索すると圧倒的な数の感動の口コミが集まっています。それが選んだ決め手でもあったのですが、儲け主義とは縁遠い感じの小さな病院の狭い受付で保険証を出したところから、それらの口コミに勝るとも劣らない感動体験が始まったのです。
先生が受付まで出てきて
「今日は千葉からはるばる来られるというのでたっぷり時間をとってお待ちしてました。
悪い場所が何箇所あろうとも出来る限り今日一回ですべて治したいと思いますので安心してください。」
もうこのセリフ1つで涙が出そうなほど。
言うまでもなく医者は患者が何回も通うほど儲かるような診療報酬制度です。
子供の頃に通っていた歯医者は1つの虫歯に何回も通わせ、詰め物はすぐに取れるし、取れる都度また何回も通うという悪循環。
歯医者というと=何度も何度も通う、というイメージも一般的だと思います。
やはり口コミによく書いてあったように、この先生は儲けるつもりがまったくない、ということが瞬時に伝わってきました。
そしてレントゲンを撮り、丁寧な解説。詰めものには3種類ありそれぞれの料金と保険の適用の可否、麻酔を使う箇所や治療部位の神経までの距離、等々、、。
もうこの段階で私は完全に先生を信頼しました。
極めつけは治療。
痛みを少しでも感じたら左手をあげてください、と言われいつでも挙げられる準備をしていたのに、結局3箇所の治療がすべて終わるまで一度も挙手することはありませんでした。
驚いたことに麻酔すらもいつやったのかわからない有様で、「できる限り歯は削らない、抜かない」「削る音は患者を不安にさせる」というコンセプトの通り、削る音すら最小限。
終わってみると、もう先生がマジシャンかブラックジャックにしか思えませんでした。
結局、見事すべてが1回の処置で終わり、一度も痛みを感じず最小限の費用で最小限の時間で済んだのでした。
よくよく見れば、先生1人とスタッフ2人、診察台2つという最小限のこじんまりした設備。
最小限のコストで最大限の効果を施し、利益は必要範囲内にとどめ顧客から最大限の評価を得る。これぞ究極の顧客第一主義といえるでしょう。
ECサイトを多数運営する弊社にとって、CS上の観点で学ぶべき事がありすぎるほどあった感動体験を頂いた1日でした。
※後日談ですが、風の噂によると先生は過去に一度人生に大きな挫折を経験され、その後現在のような医療方針、生き方になられたとのこと。
生きる苦渋と人の痛みを人一倍体験されているからこそあの治療があるんだな、と改めて感動させていただきました。
少しでも近づける生き方をしていきたいものです。
(歯科医院の名前や連絡先をお知りになりたい方は喜んでお教えしますので、k@root-s.jp まで直接ご連絡ください。)