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心配ごと。

】 2020.04.07

本日、新型コロナウィルス感染症対策の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が発令されました。

言うまでもなく世界的に被害は甚大です。
政府がさまざまな政策を矢継ぎ早にくりだしてくれているけれど、経済に対するダメージは特に深刻です。きっと想像以上に。

政府のスピードの遅さや愚策さに、SNSには不満と誹謗中傷があふれているけれど、なんだか真正面から責める気にはなりません。
政府だって初めてでくわす緊急事態。誰もが想像だにしなかった映画の中のような事態で任に当たっています。
金銭補償を求める多くの声。日頃税金を納めてるんだからもっと出せと言うのはカンタンなこと。結局のところみんなポジショントークになるのです。

無いものは出したくても出せないし、限りあるものから出すのであれば必ず別のところが足らなくなりどこかにシワ寄せがでます。そのシワ寄せをいつか自身が受け入れる覚悟をもって要求しなければなりません。やはり生きることは自己責任なのです。
すべてはトレードオフ。何かを得るには、なんらかのかたちで他の何かを差し出さなくてはならない。

とはいえ、気合いだけはもっと入れてほしい。補償の有無も金額の多寡も、決めたことに文句はいわないから。せめて、この国の判断は大丈夫と国民が安心感をもてるくらいの気合いはみせてほしい。

かくいう我々介護事業者は、緊急事態宣言のなかで休止命令はでず、「感染症対策に気をつけながら事業を継続すること」と位置付けられました。社会保障費の不足からもそうせざるを得なかったことでしょう。
介護事業所は3密の条件がほぼ揃います。3密を回避して介護せよという政令は、人数を減らせということ。減らせば、減らされた利用者様は介護度が上がりやすくなり、また減収から経営は立ち行かなくなる。

高齢者はコロナに感染すると重篤化するから外出しないように。介護事業所は休業要請しません、続けてください。
完全に二律背反です。

休業要請されていないので、自主休業しても補償はでません。それが感染防止対策への協力のためだとしても。
それは仕方ありません。代表者です。この命を保証にさしだします。ここは自力でなんとか踏ん張ります。中小企業はみんなその覚悟でしょう。

その代わりにせめて国のあらゆる業種の優先順位を、軋轢を覚悟のうえでハッキリさせることを切に願います。何を優先して何を差し出すのか。今の法律では、そこを決められるのは政府だけなのです。

ただ1つ心配なこと。
補償が無いなか小さな介護事業所はこの後どんどん潰れていきます。ただでさえ介護保険費は削られ、慢性的な人員不足が叫ばれている中で今回の事態は致命傷です。全国の介護事業所の倒産や廃業、3密回避のための通所自粛がこのあと引き起こすこと。
全国的な介護度の重度化と、認知症の急増です。

ずっといっしょに暮らし育ててもらった、大好きだった祖母は、衛生管理の緩いデイサービスでインフルエンザをもらい高熱がでて入院、動かなくなってからものの2ヶ月で逝きました。
歩かなくなってから1週間で認知症が始まりました。
10日で自分でものを食べられなくなりました。
その頃にはもう自分の足で歩くことなんてできなくなり、びっくりするくらいのスピードで痩せ細っていきました。 IMG_2412

感染防止に自粛は不可欠。そのトレードオフが、コロナ鎮静後のすぐ先に待ち構えています。ただただ心配でなりません。

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