アスクルが売っているもの
【日記】 2012.03.24
売上高2000億円に迫る上場企業アスクル。
日本の企業の多くが総務部門でお世話になっていると思います。
特に弊社のような中小零細企業は、大企業のような規模の強みを根拠にした価格交渉力も担当させる人足もなく、
備品、什器、文具などはもっぱら必要になった時に必要になった人がアスクル経由で発注する流れが多いのではないかと思います。
そんなアスクルにネット注文をしている時に、いつも思うことがあります。
それは、「アスクルは何を売っているんだろう」ということ。
裏を返せば、「弊社はアスクルから何を買っているんだろう」となります。
もちろん、それはボールペンであり、ガムテープであり段ボールでありコーヒーやお茶なのですが、
その実、本質的にアスクルから享受されるメリットとして弊社が買っているのは、そういう物質的な充足ではなく、
「場所」「時間」「手間」 だなあ、と思うんです。
アスクルでいつも買っているものの大半は、弊社のある日本橋界隈をちょっと歩けば手に入ります。
価格もそれなりにアスクルは安いですがもっと安い店は個別に探すといくらでもあります。だからやっぱり「安さ」だけを買っているんではないんですね。
中でも一番のメリットだと思っているのが「場所」です。
弊社のような通販業の場合、毎日膨大な数の荷物を梱包し、全国のお客様に発送します。
そこで必要になるものが各種サイズの段ボール、梱包用のエアキャップです。
コスト的には段ボール箱のメーカーに大量に発注すればコストダウンが図れます。
しかし、数千個の段ボールを一括で納品せねばならず、そのための保管場所は決して馬鹿になりません。
専門メーカーから大量購入してコストを半分に抑えられればかなりの経費削減に見えますが、
それは近視眼的な合理化であり、その保管や管理の為に必要になるスペースや管理する人足、時間をコストに還元してみると
トータル的にはこちらの方が余程大きな合理化になるのです。
必要な時に必要な量を毎日のように発注することで保管する「場所」を不要にし、
PCから1分で注文が完了することで買いに行く「時間」と、運ぶ「手間」を不要にする。
こうやって文章にしてしまうと、どれも当たり前なことばかりなのですが、とどのつまり、ここまで多様化した現代では、人が何を買っているのかを真に見つめていかないといけないなと改めて思うのです。
昨日、社員とものの価格や売り方について議論しました。
よく勉強してるなと感心しながらも、感性も違うし、自分1人では思いもしない気づきや発想があったり。
どちらの意見が正しいとか優れているとかそんな狭量なことではなく、やっぱり、人と人が意見交換しながら
考えていくことが、多様なお客様を相手にする商売を行う上で、絶対欠かせないことだな、と気づかされつつ
アスクルの発注をしながら色々なことを考えた1日でした。
弊社は「何を」売っている会社なのか。今一度しっかりとこの軸を確認したいと思います。